卒業生・教員からのメッセージ
太田 開人さん(2017年度卒業)

太田 開人さん

卒業年度  :2017年度 人文学部人文学科 卒業
現在の勤務先:石川県白山市立北星中学校

【教員としてやりがいを感じること】
「皆さんは、教員という職業にどんなイメージを持っていますか?」と尋ねると、今や小中学校の児童生徒までもが、「ブラックな職場」「絶対なりたくない!」「たくさん残業している」などと答えます。教員はブラック、このイメージは大学生である皆さんも同じではありませんか?客観的に見れば、割に合わない仕事をしているなと思います。職員室では、同僚の先生方と「定額働かせ放題だ!」などと皮肉をいいながら楽しく仕事をしています。
さて、そんな教員のやりがいとは一体何でしょうか。僕は授業づくりや教材研究にやりがいを感じました。教師の発問に生徒は何と答えるか、資料の提示はどのタイミングが効果的なのか、学習指導要領ではどの程度の資質能力を求めているのかなど、50分の授業1コマを作り上げるだけでも教師のやれることは無限大にあります。その中から選びとり、無駄を省き、濃縮された50分を考える作業が堪らなく面白いのです。もっと面白いことに、「授業は生き物」です。どれだけ準備をしても生徒の実態と合わず上手くいかなかったり、同じ授業内容なのにクラスが違うだけで反応が全然違ったりするわけです。決められたことを機械的に教えるのではなく、生徒とともに学びを何倍にも膨らませていく。ここに「学校の先生」でしか味わえない喜びがあると思います。

【教員になるためにやったこと・アドバイス】
 恥ずかしい話ですが、教員になるために僕はほとんど何もしていなかったです。もちろん大学四年生の頃は、毎日勉強をしていました。しかし、一度教員採用試験に落ちてからは講師として現場に入り、ほとんど勉強をしなくなりました。現場では教師としての実感のある学びが毎日あります。研修にも積極的に参加しました。そのため、「今更筆記試験対策か…」と採用試験の勉強にはモチベーションが上がらない日々を過ごすことになりました。そうしてダラダラと5年が過ぎてしまいました。
 僕は講師期間が5年という、長い間正式採用になれなかった立場の人間です。いろんな学校のやり方を学べたり、小・中と校種を跨いだ経験ができたりと講師でしかできない経歴を持てたと前向きに捉えていますが、やはり1年目で正規採用になっていればと思うことも少なくありません。教員になるために絶対に必要な「採用試験の勉強」を怠っていたからです。大学生の皆さんは、今からでも遅くありません。この話を反面教師にして、採用試験の勉強を第一に行ってください。一般教養試験や教育法規は過去問で勝手に覚えます。専門教養の勉強はどこの自治体でも必須だと思いますので、専門知識の習得を心がけると良いと思います。面接・模擬授業は試行回数です。一緒に練習できる仲間や環境を見つけて、定期的に行うと良いと思います。応援しています。