卒業生・教員からのメッセージ
島 勇佑さん(2015年度卒業、2017年度修了)

島 勇佑さん

卒業年度:2015年度 工学部機械知能システム工学科 卒業
修了年度:2017年度 大学院理工学教育部(修士課程)機械知能システム工学専攻 修了
現在の勤務先:富山県立砺波工業高等学校

【できなかったことができるようになったときの喜びをともに】
私は、平成28年に本大学工学部を卒業し、大学院を経て教員の道に進みました。私は昔から学校が大好きで、そこで、たくさんの素晴らしい先生方に出会いました。いつも親身になり、たくさん汗をかいて、涙を流し、時には一緒に冷や汗をかいてくれる、そんな先生方をみて、私も子供たちの将来に携わる仕事に就きたいと思い、教員の道を志しました。大学では、工業の教員免許を取得し、現在は県内の工業高校でものづくりの基礎を教えています。私が勤務する高校にも、勉強が苦手で、勉強をすることから逃げてしまう生徒がいます。その生徒の多くが、幼い頃から自己肯定感が低く、「どうせ自分にはできない」、「どうせ自分にはわからない」と初めからバリアを張ってしまっています。このような生徒に対し、勉強の楽しさや意義を伝えることが教員の見せ所だと思います。皆さんにとって、記憶に残っている授業とはどのような授業でしょうか?私は、クラス全員がいきいきと授業に参加し、もっと知りたいと思えた授業が一番記憶に残っています。私たちの身の回りのものを例に出したり、私たちの興味のあるものと絡めたりと工夫一つで生徒のやる気スイッチを入れることができます。そのためにも、授業の準備が欠かせません。どのようにしたら、生徒が興味・関心を持ってくれるかを考え、試行錯誤を重ねながら授業を作っています。よく、授業は生き物と言われますが、その通りだと常に感じています。こちらからの一方通行では授業は成立しません。これまで、何百回と授業をしてきましたが、納得のいった授業は一度もありません。本当に授業って難しいものだとつくづくと実感します。このような中でも、生徒が興味・関心を持ってくれて、さっきまでできなかったことができるようになった喜びを近くで一緒に分かち合えることは教員にとって最高のやりがいだと感じています。勉強のみならず、部活動や学校行事を通して、できなかったことができるようになり、たくましく成長する姿を一番近くで見ることができることこそが教員の一番の魅力だと思います。
これから、教員を目指そうとしておられる後輩の皆さん、中には、教員という道に進むべきか悩んでいる方もおられるかもしれません。子供たちの将来をサポートすることができる素晴らしい教員という道に進んでみませんか?私たちは子供たちに教えるだけでなく、子供たちと接する中でたくさんのことを子供たちから教えてもらっています。そのような、学校という素晴らしい環境の中で、これまで自分が学んできた知識や技術をいかし、子供たちとともに喜びや悲しみを分かち合いませんか?一人でも多くの皆さんが、教員という道に興味を持ってもらい、子供たちの将来のために汗水を流しながら、一緒に働けることを楽しみにしています。