卒業生・教員からのメッセージ
中尾 智子さん(2008年度卒業)

卒業年度:2008年度 教育学部 卒業
現在の勤務先:富山大学教育学部附属幼稚園

【教員としてやりがいを感じること 】
私は、幼稚園で、毎日元気いっぱいな子供たちと一緒に過ごしています。 幼稚園教諭としての仕事は大変なこともありますが、なんといっても子供たちの可愛いつぶやきと笑顔に癒されています。

先日、ペンを使った後はキャップを閉めることを子供たちに伝えると、ある子供が「そうだよね。ペンとキャップが離れ離れだったら寂しいよ。離れ離れは可哀想だよね」と話していました。ペンの気持ちになって話すそのピュアさが可愛くて心に残っています。

そして、子供の日々の様子を見て、「この歌を歌ったら喜ぶかな?」「この遊びを提案したら楽しめそうだな」と、子供たちの笑顔を想像しながら保育の準備をすることが楽しいです。実際に子供たちの笑顔を見ると、環境を整えてよかったなと心から思います。

また、そんな可愛い子供たちのことを日々報告し合える同僚の先生方は大変ありがたい存在です。時には「こんな可愛いことを言っていたんですよ!」と子供の可愛さを語り合って盛り上がったり、時には悩みを相談してアドバイスをもらったりすることもあります。どの先生も親身になって話を聞いてくださり、支えてくださいます。そして様々な得意分野のある先生方の保育を見て勉強になり、刺激にもなり、私も頑張ろうというやる気に繋がっています。

そして、私が教諭としてのやりがいを1番感じることは子供の成長を間近で見られることです。先日も子供の成長に感動したことがありました。ある日、粘土遊びをたくさんの子供たちで一緒にしていたため、粘土が足りなくなってしまうことがありました。その時に「私の粘土がないー!」と大泣きしている女の子がいました。私は「粘土で遊びたかったね。お友達に『貸して』って一緒に言ってみる?」と言いましたが、その女の子はなかなか泣き止まず、その日は粘土遊びができないままでいました。しかし、その子は様々な遊びや友達との関わりなどの経験を積み重ねることで、少しずつ自分の思い通りにならないことがあっても自分で気持ちを立て直せるようになり、自分の思いを友達に伝えようとするようになっていきました。そして、約1年後にまた同じ粘土の遊びの時に粘土が足りなくなることがありました。私が黙ってその様子を見守っていると、その子は隣にいた友達に「この粘土、もしよかったら貸してほしいんだけど、いいかな?」と友達の目をじっと見て話しかけていました。自分の使いたい粘土が無くて大泣きしていた子供が、1年後には自分から問題解決のために友達に話しかけている姿に私はとても感動しました。

子供たちの成長は一回の経験ですぐに身に付くものではありませんが、子供の心に深く響いており、その貴重な経験を少しずつ積み重ねることで、やがて大きな成長につながるのだと実感しました。これから、子供たちがどんな可愛い姿や呟き、そして成長をみせてくれるのか、とても楽しみです。