卒業生・教員からのメッセージ
肥田 未咲さん(2017年度卒業)

肥田 未咲さん

卒業年度:2017年度人間発達科学部発達教育学科学校教育コース 卒業
現在の勤務先:富山大学 教育学部附属特別支援学校

 私は現在、特別支援学校の教員として勤務しています。今年度で、採用されて6年目になりました。
 私が教員を志したのは、小学生の頃、内気だった私に「歌声が素敵だね。」と良さを見つけ、自信を持たせてくださった恩師との出会いがきっかけです。「子供一人一人の良さを見つけ、伸ばすことができる教員になりたい」と夢をもち、富山大学に入学しました。
 入学時から教員志望だったものの、小学校か特別支援学校のどちらの教員を目指そうか迷っていました。自分に向いていることややりがいを感じることを見付けるために、学生時代は、子供と関わるボランティア活動やアルバイトに積極的に参加しました。得意分野を生かせることから、今までやったことがないことまで、少しでも興味があることにはどんどん挑戦しました。その中で、進路選択の決め手になったのは、学習支援のアルバイトでの経験です。書字に苦手意識のあるお子さんの困り感に寄り添い、動画を用いて視覚的に示しながら、アプリを使って漢字練習を行ったことで「書き順が分かった!」「きれいに書けた!」と喜んでもらえました。このことにやりがいを感じ、「子供が『分かった。』『できた。』喜びを感じられるよう、サポートしたい」と強く思うようになりました。そして、子供一人一人に合わせてじっくりと関わり、成長を見守っていくことができる特別支援学校の教員を目指すことに決めました。学生生活の限られた時間を、自分のことを知り、強みを伸ばしたり、見識やキャパシティーを広げたりすることに使い、「どんな教員になりたいか」や「自分の強みや得意なことは何か、それを生かすことができる場所はどこか」を考えてきたから、後悔のない進路選択をすることができました。
 現在、念願の教員として働き、充実した毎日を過ごすことができているのは、周囲の支えがあったおかげです。大学では、教育のプロフェッショナルの先生方からご指導いただき、家族には夢を応援してもらいました。教員採用試験にあたって、自分の思いを表現することも人前で話すことも苦手でしたが、熱心なご指導、温かい励ましをいただき、願書作成から試験当日まで乗り越えることができました。同じ志をもつ仲間と切磋琢磨しながら、試験を乗り越えた経験はかけがえのない思い出です。 
 今年度から、富山大学附属特別支援学校で勤務しています。今、仕事の中で一番楽しみなことは、「チャレンジ日記」に花丸スタンプを押すことです。本校では、児童生徒が見通しと意欲をもって、学校や家庭で毎日継続して行う活動をチャレンジ活動と呼んでおり、手伝いや運動、学習、余暇につながる活動などの個々に応じた様々な課題に進んで取り組んでいます。私が子供時代は、毎日課題に取り組むなんて、面倒臭くて到底できませんでした。毎日コツコツ頑張る本校の児童生徒たちには、とても感心します。その頑張りを認め、称えることができることが、とても嬉しいです。花丸スタンプを励みにしている児童生徒も多く、「スタンプください!」と元気よく言いに来る子もいれば、照れて不貞腐れながらスタンプをもらいに来る子もいます。たくさん褒めてもらえて嬉しそうに喜ぶ姿に心温まります。毎日コツコツ頑張ったり、できることが少しずつ増えたりする経験は、子供たち自身の自信になると思います。このように子供のできることを増やし、将来の生活をより良くしていくサポートができることを嬉しく思います。
 教員はやりがいの多い素敵な職業です。将来、皆さんと一緒に教員として働き、子供たちの成長をサポートできることを楽しみにしています。