卒業生・教員からのメッセージ
本田 達也さん(2014年度卒業)

本田 達也さん

卒業年度:2014年度 人間発達科学部人間環境システム学科環境社会デザインコース 卒業
現在の勤務先:富山県立氷見高等学校

【教員としてやりがいを感じること】
 今回この文章を書くにあたってこれまでの教員歴を振り返りました。現在、高等学校で教員として勤務しており、地歴公民を教科として担当しています。最初の赴任校は特別支援学校でした。地理や歴史の授業などこれまで大学で学んできた知識は一切通用せず、苦しかった時期もありました。学生の頃は、どう面白い授業をしてやろうかやどう興味関心を引き付けてやろうかと生徒のことより自己満足のことばかり考えていました。しかし、実際の授業や学級経営においてそのような考えは甘く、自分の傲慢さに気づかされることばかりでした。その中で、特別支援学校における経験は、自分にとって教員としてのやりがいを感じることができた機会となりました。特別支援学校では、生徒一人ひとりの特性や障害に即した支援や授業を行うことで少しずつできることを増やしていきます。スモールステップで子どもの成長を促していくやり方です。私は、小さなことでもできるようになる姿にとてもやりがいを感じるようになりました。その後、高校現場に赴任してもその本質は変わりません。私にとって教員としてのやりがいあるいは醍醐味は、人の成長を一番近くで感じることができることだと思います。そんな特等席は、正直経験しないとわからないでしょう。ぜひ、学生のみなさんもその特等席で人の成長を間近に感じてみてください。やみつきになると思います。

【教員になるためにやったこと】
 正直なところ何もやっていないと思います。しかし、結果的に教員となったときにやっていてよかったなと思うことを二つお伝えしようと思います。
 まず、一つ目はボランティア活動です。教員になるためというよりか友人と何か一緒に活動したいというサークルの感覚で行っていました。私は主に二つのボランティア活動を行っていました。一つは体育館一面に巨大な段ボール迷路を作り、子どもたちに楽しんでもらうイベントです。もう一つは、乗鞍少年自然の家に家族を招待し、キャンプのイベントを運営するボランティアです。二つのボランティアに共通する点として子どもの視点から企画や運営を行っていたことです。子どもの視点はおそらく多くの時間触れ合っていないと推測が難しいです。さらに、その推測通りにいかないことが普通です。そういった経験を通して子どもの立場で物事をとらえる思考を培い、学校現場では授業計画や生徒指導に活かしていることが多いです。
 二つ目はたくさん遊び、働いたことです。学生のときは、友達と県外へ旅行をしたり、いろんな遊びをたくさんしたりしました。大学生だからこそ、時間の余裕を活用し、アクティブに行動することをおすすめします。また、お金を稼ぐために様々なアルバイトを経験しました。お金を稼ぐことの責任を感じることはもちろんですが、社会が様々な職業によって成り立っていることを知るよい機会です。教員は世間知らずとよく言われます。自分自身も痛感しています。後悔としては、短期バイトでもっといろんな職業を経験しておけばよかったなと感じます。遊びにおいてもアルバイトにおいても私が感じたこと経験したことはすべて子どもたちに還元することができます。いろんな経験をしている人はやはり魅力的です。様々な経験を通して魅力的な人として子どもたちに接することができるようになってくれたら、よいのかなと思います。